千春会

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腹水外来

腹水外来について

当院では、「腹水濾過濃縮再静注(KM-CART)による「腹水治療」に取り組んでおります。大量の腹水でお困りの方、苦痛や不自由を感じてお悩みの方、腹水外来までお気軽にご相談下さい。
診察日時
毎週 水曜日 14:00~16:30<予約制>
腹水お知らせ

実績データ
(件数)
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 合計 平均
2020年度 25 23 21 23 11 13 10 8 14 11 13 14 186 16
2021年度 17 12 23 19 10 7 8 12 14 11 7 8 148 12

腹水と治療法

肝硬変や癌などの様々な疾患によって、体の内臓を納めている腹腔(ふくくう)と言われる部分に水が溜まることがあります。これを「腹水」と呼んでいます。大量に溜まると、痛みや嘔吐の原因となり、ひどい場合は食事が出来ないことから栄養失調に陥ることもあります。 

 大量の腹水に対する治療は非常に難渋します。腹部を刺して数リットルの腹水を抜くと、症状は一過性に楽になりますが、後から倦怠感や体力低下につながります。腹水には大切な栄養分などが含まれており、決して「捨てれば済む」というものではないからです。
『「腹水」が溜まるとおなかが張って、食事が食べられない、しかし「腹水」を捨てると体力が落ちてしまう。』そのために、医療機関でも治療をしてくれないことも多いのです。
こういったジレンマを解決するのが、「KM-CART療法」という治療法です。

「腹水濾過濃縮再静注(KM-CART)」は、「腹水を全量抜いて、全量処置して点滴で戻す」という方法です。治療後は腹水による腹痛がなく、食べられなかった方も食事量が回復しますので、術後1~2週間快適に過ごすことができます。

治療前

治療前

治療後

治療後

CART療法(Cell-free and Concentrated Ascites Reinfusion Therapy)とは?

CART療法(Cell-free and Concentrated Ascites Reinfusion Therapy)とは?

「腹水濾過濃縮再静注」というのが正式名称です。 腹水を抜き、それをまず特殊なフィルターで濾過して、さらに別のフィルターで濃縮してから、患者さんに点滴して栄養分を戻すという治療です。 日本では80年代から保険適用の歴史がある治療ですが、これまでは、透析の設備が必要であったり、手間がかかるのが問題でした。 しかし、要町病院腹水治療センター長の松崎圭祐先生が考案された、「KM-CART療法」は、これまでのように透析の設備を必要とせず、すみやかな腹水の処理が可能です。


※ 「KM-CART研究会」のホームページ

よくあるご質問

Q)事前に受診が必要ですか?

A)病状を把握する必要がありますので、なるべく主治医の先生からの紹介状をお持ち下さい。リスクについての説明も必要となりますので、まずは外来で受診して下さい。

Q)他院で癌の治療を受けていますが、腹水の治療だけ出来ますか?

A)寝たきりである、意識が無いなど、よほど身体状態が悪くない限りは可能なことが多いです。状態の確認が必要ですから、まず、外来にお越し下さい。

Q)何回治療したら腹水はなくなりますか?

A)もともとの病気は治らないので、腹水はまた溜まるとお考え下さい。回数や頻度は、患者様の状態によって変わります。当院での「CART療法」は2週間に1回として、その間は少量ずつ腹水を抜くことで対応しております。

Q)肝硬変のため、腹水がたまっていますが治療はできますか

A)可能ですが、肝硬変の腹水に対する「CART療法」では、重篤な感染症を起こすこともあるようです。リスクについては、まずしっかりご理解いただいた上で治療に進みましょう。

Q)費用はいくらかかりますか?

A)保険適用の治療です。
「CART療法」にかかる費用の基本としては、
3割負担の場合:手技料+材料価格で27,150円です。
当院では、入院による治療となりますので、この他に入院時の別途費用が発生します。

Q)「腹水治療(KM-CART)」とはどのような治療ですか。

A)「CART(腹水濾過濃縮再静注法)」とは1980年代から実施されている保険適用の治療法で、さらに改良されたものが「KM-CART」です。上記の図のように患者様の腹部から腹水を抜き、腹水中の細菌や 悪性の細胞を取り除いた後、栄養分など必要なものを残して濃縮した「治療用の腹水」を点滴で体内に戻す方法です。

Q)「KM-CART」で腹水を抜く場合の効果は

A)腹水を抜いて捨てるだけでは、栄養分まで廃棄してしまう事になるため、相当体力が落ち、倦怠感も増します。「KM-CART」法では、腹水の栄養分は残して、体内へ戻しますので急激な体力低下を防ぐ事ができるわけです。大量の腹水でお腹が張ると消化管が押さえられ、食欲が低下してしまいます。腹水を抜く事で食事が摂れるようになり、足のむくみも多くの方が軽減されます。

Q)改善された「KM-CART」法の利点は

A)従来の「CART」法は透析の機械を使用しなければなりませんでしたから、透析室の空き時間に行わねばならず、様々な制限がありました。しかし、「KM-CART」は、透析の機械は不要で、腹水の処理速度が速く、場所を選ばないのが最大の利点です。

Q)治療を受けるにはどうすれば良いですか

A)まず、病状把握のため、主治医の先生からの紹介状をお持ちいただき、外来で診察と検査を受けていただきます。受診後、日程を設定して入院による治療となります。この治療は、かかりつけ病院、診療所との連携と協力が大切です。治療後は患者様を主治医の先生にお返しするというスタンスでの治療を心がけています。

Q)今後の千春会病院での「腹水治療(KM-CART)」をどのようにお考えですか

A)「希望があればすぐ対応すること」をモットーに、抗がん剤併用をはじめガン性腹膜炎の治療に努めたいと考えています。駅前という通院立地の良さを活かした、前向きな緩和医療として「ハイパーサーミアクリニック」とも連携し、将来的にはニーズの高まる「緩和ケアを在宅で」という医療の一助になりたいと未来像を描いています。

その他注意事項
外来に来られてその日に「CART療法」はできませんので、ご注意ください。
まず外来でご説明の上、予約を取らせていただきます。
ご不明な点は お気軽にお問い合わせ下さい。

ご予約・お問い合わせ

電話 075-954-2175(代表) 外来は予約制です

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