膝・肩専門外来

医療部門診療科目膝・肩専門外来

膝・肩専門外来

治療の選択肢が広がります!

土曜 午前診(受付時間 8:00~12:15)
膝の不具合でお困りの方にぜひ、
教えてあげて下さい

診療される原田豪人先生は、長年京都桂病院で「膝関節痛」など手術治療を実施してこられた膝疾患のエキスパートです。「当院での膝専門外来は保存治療として投薬治療やリハビリ治療を中心に行っています。
また、最新の治療として自分の再生力を活用する「PRP-FD療法」や「体外衝撃波治療」も導入。今は、幅広い選択肢の中から、ご自身が希望する治療法を選択できるような時代です。」とのこと。
痛みに悩んでおられる方にとっては、多くの選択肢があることは、大変うれしいことです。

スポーツ整形

昨今のスポーツブームおよび健康志向の到来で運動年齢人口は増加の一途をたどっています。 しかしながら、不十分な体づくりや急激な運動開始により怪我をしてしまうことも少なくありません。身体の故障には早期の適切な診断と初期対応が大切です。 また、同じ怪我を繰り返さないためには長期的な視野でのリハビリテーションが不可欠です。 当外来では膝を中心として足や肩に関する痛みも含め診察や精密検査をおこない必要となれば手術治療を専門的におこなっています。関節鏡(かんせつきょう)という内視鏡を用いて小さな傷で手術を可能にしています。 健康な体と痛みの無い生活を取り戻せるよう一緒に頑張っていきましょう。

膝半月板損傷(ひざはんげつばんそんしょう)

半月板断裂の関節鏡手術(左は断裂像、右は縫合後)

膝をひねって痛みが続く場合には半月板を損傷していることがあります。半月板は膝のクッションの役割をしている軟骨の一種で損傷すると元には戻りません。放置すると周りの軟骨もいためることがあり、加齢の変化を進行させます。損傷のタイプによっては治療のために手術が必要です。当院の手術は関節鏡を使用し、半月板の破片を取り除いたり断裂部を縫合したりして機能の改善をはかります。縫合手術後、施設によっては1ヶ月間の固定や安静が必要ですが、当院では術直後より荷重歩行ができる手術をおこなっています。

前/後十字靭帯損傷(ぜん/こうじゅうじじんたいそんしょう)

移植し再建した前十字靭帯(中央)

バレーボールなどのジャンプで足の着地の際、膝が内に入ると膝の中央にある前十字靭帯を損傷することがあります。また、ラグビーなどのタックルで膝が強く押されると後十字靭帯を損傷することがあります。これら十字靭帯は断裂すると自然治癒は見込めず膝の不安定性が生じるために手術が必要です。手術前からリハビリテーションを開始し、膝の可動域(曲げ伸ばしの角度)を回復させ、筋力訓練を行うことが重要です。
十字靭帯再建の手術は当院では膝内側のハムストリングを採取し関節鏡を用いて膝関節内の解剖学的位置に移植し固定します。固定には金属でなく人工骨のねじを使用し、将来、ねじを抜去する2回目の手術をしなくてすむように工夫しています。入院期間はおよそ2週間で、松葉杖での歩行が可能となれば退院できます。ただし、術後も通院でのリハビリテーションが必要で、筋力強化訓練をおこないます。術後3カ月でジョギングを開始し、術後8カ月でスポーツ復帰できる見込みです。

膝軟骨損傷(ひざなんこつそんしょう)
  • 膝の内側への骨軟骨移植
    のようす

  • 高位脛骨骨切り術でO脚を
    矯正した下肢レントゲン写真
    (左は術前、右は術後)

膝の軟骨は長年の加齢変化により徐々にすり減っていきます。運動不足による筋力低下や体重増加により軟骨の摩耗は加速します。重度となれば人工関節を入れる手術が必要となりますが、早期であれば軟骨移植が可能で自分の骨と関節を維持することができます。またスポーツや運動による衝撃で軟骨をいためた場合や、骨壊死といって軟骨の土台となる骨がいたんだ場合も移植治療が可能です。軟骨損傷の手術治療には骨穿孔術といって穴をいくつかあけることで血流を促す方法もありますが修復されるのは不完全な線維軟骨にとどまります。そこで当院では骨軟骨移植術という完全な硝子軟骨での修復が可能な移植治療をおこない軟骨の再生を可能にしています。
関節鏡を用いて、または小切開を加えて膝の体重がかからない部分から骨と一緒に軟骨を円柱状に採取して、いたんだ軟骨部分に移植します。手術後は2~3週間の免荷(体重をかけないこと)が必要です。

О脚などの下肢の変形がある場合は軟骨を移植してもまた将来いたむことがあるため、その場合は骨切り手術(脛骨近位骨切り術または大腿骨遠位骨切り術)を同時におこないます。下肢をまっすぐに矯正することで軟骨への過度の負担を減らし軟骨損傷の再発を予防します。

膝以外にも足や肩の疾患についても専門的に診察しております。

足の軟骨損傷

足関節鏡専用の牽引装置

足首の捻挫のあと、痛みが改善しない方の中には足関節を構成する骨の一つである距骨(きょこつ)に軟骨損傷や骨壊死を生じていることがあります。ギプスの固定や免荷(体重をかけない)では治療効果は限定的です。
痛みが続く場合は足関節鏡を用いた手術での治療が適応となり、上記で述べた骨軟骨移植術で軟骨を再生させています。足首の関節はすきまが狭いためこれまで手術の際は足に金具を刺してひっぱる必要がありましたが、当院では専用の足牽引器具を用いて余分な傷をつけずに手術をおこない、足関節専用の細い関節鏡器具を用いて治療を可能にしています。

前距腓靭帯損傷(ぜんきょひじんたいそんしょう)

ストレスレントゲン写真で
不安定性が改善しているようす
(左は術前 右は術後)

足関節の捻挫では外側の靭帯を損傷することが多く、超音波のエコーやストレスX線検査(専用の器具で力をかけて撮影するレントゲン)やMRI検査で診断が可能です。治療は主に保存的にギプスなどで外固定を行います。痛みが落ち着けば、その後装具を装着しながらリハビリテーションを行います。捻挫は繰り返さないことが大切ですので、リハビリで機能を改善して再受傷を予防します。捻挫を放置したり何度も繰り返したりしている場合は足関節外側の靭帯、特に前距腓靭帯が修復されず不安定性が残存するため手術を要します。靭帯が残存している場合はアンカーとよばれる糸を骨に埋め込んで残っている靭帯を縫縮して骨に固定し直します。しっかりした靭帯が残っていない場合は膝の内側から薄筋という腱を採取し、これを束ねて靭帯の代わりとして足に移植します。術後はギプスで4週間固定します。
その後リハビリテーションを行い、足部の筋力強化やバランス訓練で再受傷を予防します。

足底腱膜炎(そくていけんまくえん)

腱内視鏡での足底腱膜切離手術
のようす

常に体重のかかる足部は様々な問題をかかえます。ジョギングやマラソンで足の裏にある足底腱膜という、すじに負担がかかると炎症が起きて歩き始めの荷重時にかかとに痛みを生じます。注射などの投薬治療で炎症を改善させ、リハビリテーションで足部の柔軟性を取り戻す治療をおこないます。難治性の場合は内視鏡下の腱切離手術により治療しています。

理学療法士からの指導用パンフレット
外反母趾(がいはんぼし)

外反母趾手術にて骨の突出が改善
しているようす
(左は術前、右は術後)

足部の疲労や筋力低下により扁平足を生じると外反母趾が発症します。アーチサポートというインソールを作成し足のアーチを形成して変形の進行を予防します。痛みで日常生活に支障をきたしたり、靴の制限が出る場合は骨切り手術で変形を治しています。

肩関節唇損傷(かたかんせつしんそんしょう)

肩関節鏡手術にてはがれた関節唇が修復されたようす
(左は術前、右は術後)

外傷性に肩関節の脱臼や亜脱臼を生じたのち、反復して不安定感が持続する場合は手術治療が原則となります。診察のほかCTとMRIにて診断が可能で手術は肩関節鏡を用いておこないます。肩の上腕骨頭が前方にずれていかないように関節唇という堤防をアンカーとよばれる糸を用いて再建します。術後は外転枕とよばれる装具を脇に挟んで3週間過ごします。その後も可動域や筋力訓練といったリハビリを3か月間おこないます。

肩腱板断裂(かたけんばんだんれつ)

術後に使用する肩外転枕を装着したようす

重いものを急に持ったり転倒して手をついたりして生じる肩関節痛では腱板と呼ばれる肩のインナーマッスルが断裂していることが原因となっていることがあります。肩が挙がらないことだけでなく痛みや動きの制限が生じ四十肩、五十肩のような症状となります。自然治癒は見込めず放置すると断裂は徐々に拡大し正常な肩関節のバランス(上腕骨頭の求心位)が保てず筋肉の萎縮や脂肪変性を生じるため手術治療の適応となります。肩関節鏡を用いない昔の切開する手術では術後に腕を挙げておくような装具をしていましたが、現在は関節鏡手術で上記の関節唇手術で使用する外転枕を用いるのみの固定ですんでいます。通院でリハビリを約半年間かけて治療します。

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